「待遇の改善」だけじゃダメ?従業員の離職率を下げるために経営層・人事部がやるべきこと | 顧問バンク

コラム

「待遇の改善」だけじゃダメ?従業員の離職率を下げるために経営層・人事部がやるべきこと

『将来の幹部候補として期待をかけた若手が離職してしまう……』
『待遇は決して悪くないのに、従業員が定着しない……』
従業員の流出は経営者、人事部を悩ませる大きな問題です。

従業員の離職率が高いと、採用や教育のコストがかさむ、社内にノウハウが蓄積されないなど企業にさまざまな不都合が生じます。人員不足が続けば事業を計画通りに進められず、やがて経営そのものにも影響が出てしまうでしょう。

従業員の定着率や一人ひとりの生産性を高い水準で維持するには、どのような課題を解決すればよいのでしょうか。ここでは医療・介護職の経営相談、コーチングに100件以上の実績を持つ岩見氏のご協力のもと、企業が従業員の離職率を抑えるために改善すべき課題と、改善の要点を解説します。

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従業員の離職率が高い企業によくある課題

従業員の離職には必ず理由があります。「業務内容は変わっていないのに、離職率が高くなっている」「20~30代の若手の離職が目立つ」などの場合には、経営者や人事部が見落としている人材育成や評価の課題があるかもしれません。

例)地方都市で高齢者介護施設(グループホーム)を運営する経営者

優秀な人材の離職が続き、現場の士気が下がっています。採用活動は継続的に行っていますが、新人スタッフの3分の1が半年で辞めてしまう状況です。従業員の定着率や一人ひとりのパフォーマンスの向上を図るには、どのような取り組みが必要でしょうか。

従業員のモチベーションを高め、生産性の底上げを図るには

採用や育成、組織づくりなど、人事・管理領域に豊富な経験を持つ「顧問バンク」の岩見氏に、従業員の離職を防ぐ取り組みや、納得感のある評価制度の策定について話を伺いました。

顧問プロフィール

岩見顧問

経歴

大手企業の有料老人ホームの施設長を経て2016年に独立開業。現在はサロン、訪問看護ステーションを経営する傍ら、顧問として介護事業所グループホームや訪問看護事業所の開設支援や企業・自治体・医療・介護施設等の支援を行っている。前職で社会保険・社会福祉・介護事業に携わった経験から、組織づくり、人事領域(採用・制度・育成)へのアドバイザリーを得意とする。

顧問としての対応実績について

介護・医療職の人材不足の事業所に対しては「広告費ゼロで2倍の求職者を集める方法」「離職しない会社の運営方法」などのセミナーも提供しています。

従業員が定着しない原因と対策

岩見顧問(以下敬称略)

経営者や幹部層の方は、給与や福利厚生など待遇の改善に力を入れるケースが多いですが、従業員の離職理由は、「仕事内容のミスマッチ」と「職場の人間関係の悪化」が大多数を占めます。まずはこの2つに問題がないか現状を確認してみましょう。

新人スタッフに多い「仕事内容のミスマッチ」

岩見

「仕事内容のミスマッチ」は、求職者自身が仕事に対して明確なイメージを持っていない場合や、企業側の説明が不足している場合に起こりやすくなります。求職者への説明会や採用面接では、企業理念や方向性、具体的な仕事の内容、勤務中のタイムスケジュールなどを深く理解できるよう、説明や質疑応答の時間を十分確保しましょう。

採用に苦戦する企業は、求職者に興味を持ってもらえるよう募集時に高待遇を謳いやすいですが、これがかえって入社後のギャップを生み、離職のきっかけになる場合があります。入社後のミスマッチをなくすには、勤務時間や給与などの労働条件に納得してもらうだけでなく、経営理念や経営ビジョンを提示し、「どんな人に来て欲しいのか」を明確に打ち出すことが肝心です。このメッセージが強ければ強いほど、企業にマッチした人材を獲得する可能性が上がります。

「人間関係の悩み」を相談できる環境づくりを

岩見

経験豊富なスタッフが「人間関係の悪化」を理由に離職してしまうのは、企業にとって非常に惜しいことです。人間関係の不和は従業員個人の問題として放置しがちですが、組織に属するほかのスタッフのコミュニケーションにも支障をきたす場合があるので、早急に対策を講じなければなりません。

アメリカのGoogle社は「一人ひとりが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態」を「心理的安全性(サイコロジカルセーフティ)」と定義しています。チームのパフォーマンスを高めるにはメンバーの多様性を認め、この心理的安全性に配慮した環境を整えることが重要です。

心理的安全性が担保されれば、社内の意見交換が活発化し、組織のメンバーが自発的に協力し合えるようになります。会社全体でコミュニケーション研修、メンタルアシスト(メンタルプログラムやスタッフ向けのメンタル相談窓口の設置など)を行い、業務や人間関係の悩みを相談しやすい環境を整えましょう。

納得感のある評価制度を策定するための4つのステップ

自身の職務や会社の方針を熟知している従業員も、「成長の機会がない」「自分の仕事が正当に評価されない」など組織への不満があると、モチベーションが低下する傾向があります。やる気がそがれた従業員は、離職の兆候を見せはじめるでしょう。そうならないためにも、人事評価制度の見直しを行いましょう。

ステップ1:評価制度策定プロジェクトのメンバー結成

人事部や経営幹部だけの意見だけで作られた評価制度はどうしても偏りが生まれてしまうため、評価を受ける当事者の意見も取り入れられるよう、各階層の従業員をメンバーに加えましょう。

可能であれば、経営層や人事担当者がプロジェクトメンバー以外のスタッフとも対話の時間を持てると理想的です。長時間は必要ないので、少数頻回のイメージで現場のリアルな意見を吸い上げましょう。

ステップ2:従業員へのヒアリング、ES調査の実施

従業員の離職を防ぐには、現状把握と問題点の抽出が重要です。全社員を対象にES(Employee Satisfaction:従業員満足度)調査を実施し、従業員が企業に対してどんな不満や要望を持っているかをあぶり出します。

ES調査は外部業者に委託するのが一般的ですが、自社で実施する場合は調査の実施自体が目的にならないよう「結果を取り入れて自社をより良くする」という意識を持つことが大切です。現状を正確に把握するため、調査の項目には「従業員自身の観点」「連携、情報共有の観点」「経営理念・方針の観点」の3つを入れることをお勧めしています。

ステップ3:企業理念、ビジョン、行動指針、クレドなどの全従業員への浸透、強みの共有

従業員のヒアリング、ES調査を終えたら、プロジェクトメンバー間で会社の理念やビジョンを明確にし、求める人材像を統一させていくステップに移ります。すり合わせた経営理念や行動指針は経営陣やプロジェクトメンバーで共有するだけではなく、全従業員にくまなく浸透させることが重要です。

その方法としては、人事評価で各従業員の行動目標を設定する際に、上長主導で経営理念や行動指針を各従業員の行動目標に落とし込むことが有効です。会社としてのビジョンと個人の目標がしっかり紐づいていれば、所属部門がどこであってもスタッフ個人の頑張りを評価できるようになります。

ステップ4:上記を加味したキャリアパス・評価制度の策定

評価制度は企業の文化やビジョンに沿った設計である必要があります。従業員一人ひとりの存在を承認できるキャリアパス・人事評価制度になるよう、新規策定や見直しを行いましょう。

結論:企業の目指す方向に合わせて評価制度のチューニングを

企業理念や中長期的なビジョンに沿った人事評価制度が運用され、従業員が「どのような基準で評価されるか」を意識して働くようになれば、一人ひとりのパフォーマンスが向上し組織としての結束力も高まります。

評価の後は結果だけでなく、プロセスのうちの何を評価したかを従業員本人にフィードバッグしましょう。評価が昇給や昇給に結びつけば、従業員のモチベーションも上がりますし、昇給・昇格が叶わなかった場合にも、評価基準をクリアするために何が足りなかったかを客観的に振り返ることができます。

目標管理と評価の方法には、各社員が実現可能と思える目標を設定しそれに対する達成度を評価するMBO、企業の方針にチームや個人の目標をリンクさせるOKR、上司だけでなく同僚や部下にも評価者となる360度評価など、さまざまな種類があります。企業のビジョンを軸に従業員の意見も取り入れながら、自社ではどんな評価制度を策定すべきか慎重に検討しましょう。

また、評価制度は作成したら終わりではなく、効果的な運用と継続的なブラッシュアップが重要です。100%成果主義なのか、勤続年数を加味するのかなど企業の方向性や時代の流れに合わせて定期的に見直しを行いましょう。

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評価制度、キャリアプランの策定がうまくいかない時は?

人事評価制度があいまいであったり、そもそも存在しなかったりする場合には、企業の理念や事業ビジョン、経営者、社員の意見を取り入れた評価システムを早急に策定しましょう。従業員一人ひとりの目標、課題と向き合い、適切な評価を行って努力を認めることが離職防止や人材定着につながります。

評価制度の策定にノウハウがなく、自社に合った方法が判断できない場合には、組織づくりや人事領域(採用・制度・育成)を専門とする社外のプロフェッショナルにサポートを依頼してはいかがでしょうか。決まりきった既存の評価システムを引用するより、テーラーメードで企業に合った評価システムを設定したほうが、人材管理・育成の課題をスピーディーに解決できます。

岩見

私は企業からご依頼を受け、離職予防・人材定着のための研修や評価制度の策定などのサポートを行っています。企業側の問題点やご希望は三者三様ですので、まずは現状について細かくヒアリングを行い、その上でこちらがご提案できるサポートを複数提案させて頂いています。過去の事例では、評価制度の改善でES調査の結果を離職率20%から10%以下に改善、求人への応募数を40%増加させた実績があります。


報酬の取り決めは月額、成果報酬などクライアント様によって異なりますが、最初は月額報酬でコンサルティングに入らせて頂き、評価制度や年間研修プログラムを導入した場合は成果報酬という形が多いでしょうか。

岩見顧問も活躍中の「顧問バンク」って?

「顧問バンク」は特定分野の専門知識を持つ顧問と、スキルやノウハウを必要とする企業をつなぐマッチングサービスです。人事のエキスパートである岩見顧問をはじめ、営業、マーケティング、海外戦略などの得意分野を持つ5000名以上の顧問が在籍しています。

登録企業は各顧問の経歴や人脈をWebで閲覧でき、案件単位で顧問のサポートを受けることが可能です。顧問への依頼内容や期間、報酬は2者間契約で柔軟に決められるので、「月額の顧問契約をしたものの、相談事がなかった」といった固定費の無駄遣いを防げます。

岩見

私自身も中小企業を経営した経験がありますが、経営の課題をクリアするために外部の人材の知恵を借りました。第三者だからこそ見える課題や解決策はたくさんありますので、まずは相談するだけでも、新たな気づきを得られる可能性があります。

既存の価値観ややり方にとらわれず、企業としていかにスピーディーに対応できるかが、これからの時代には重要かと思います。企業内で悩みを抱え込むのではなく、まずは行動を起こしてみてはいかがでしょうか。

社内の人材・リソースでは解決できない課題でお悩みなら、ぜひ「顧問バンク」をご検討・ご相談ください。長期にわたる顧問契約はもちろん、ノウハウを持つ人材に専門性の高い作業を任せたり、社員研修の講師として登壇を依頼したりと、活用の幅は無限大です。

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